2004 Fiscal Year Annual Research Report
部位特異的組換え酵素FLPおよびCreによる高効率連続発現系の開発
Project/Area Number |
04J11681
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
近藤 小貴 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | アデノウイルスベクター / 発現制御 / 部位特異的組換え酵素 / Cre / FLP |
Research Abstract |
新規遺伝子の機能解析において重要な役割を果たすと考えられている目的遺伝子の連続的な発現制御系の開発に向け、申請者は部位特異的組換え酵素CreとFLPを併用した動物細胞染色体上での目的遺伝子連続発現制御系の研究を進めている。平成16年度は単一遺伝子、又は複数遺伝子を連続的に発現制御するプラスミドの構築を行い、そのプラスミドを用いたモニター細胞株の作製を行った。単一遺伝子制御系は目的遺伝子の発現がFLP発現アデノウイルスによりOFFからONへ誘導され、更にCre発現アデノウイルスにより再びOFFへと制御されるよう設計した。本系は新規遺伝子の機能解析や発生・再生研究におけるシグナルスイッチを想定している。複数遺伝子制御系は1つの遺伝子がFLPによりONからOFFへ、更に時期を変えてCreにより2つ目の遺伝子をOFFからONへと誘導されるよう設計した。本系はコンディショナルノックアウト動物のより効率的な作出法のモデルを想定している。各々の発現制御単位が細胞あたり1コピー挿入された細胞株の樹立化に成功し、FLP及びCre発現アデノウイルスを時期を変えて感染したところ、各々目的通りの連続発現制御をほぼ100%の細胞で確認した。今後は本系の精度についてより詳細な検討を行っていくとともに、実用化に向けたアプローチを開始していく。また、Creに比べ動物細胞での組換え効率が劣るFLPの改良に向けた検討も進めている。申請者らが開発したヒト型・温度安定型FLP(hFLPe)のより一層の改良を目的として、ヒト型・野生型FLP(hFLP)の構築を行った。今後はFLP及び改良型FLPを発現する組換えアデノウイルスを用いて組換え効率を比較すると共に細胞への毒性についても検討を行っていく。
|