2005 Fiscal Year Annual Research Report
部位特異的組換え酵素FLPおよびCreによる高効率連続発現系の開発
Project/Area Number |
04J11681
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 小貴 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アデノウイルスベクター / 発現制御 / 部位特異的組換え酵素 / Cre / FLP |
Research Abstract |
新規遺伝子の機能解析において、目的遺伝子の連続的な発現制御系は重要な役割を果たすと考えられるため、この発現制御系の開発に向け部位特異的組換え酵素CreとFLP発現アデノウイルスを併用した目的遺伝子連続発現制御系の検討を行っている。本系の確立のためにはCreよりも組換え効率の劣るFLPの至適感染量とその効率、及びFLP発現ウイルス感染後のCre発現ウイルスの導入による細胞への影響を検討する必要があるため、昨年度までに作製した2種類のモニター細胞株を用いて解析を加えた。まず目的遺伝子の発現がFLPによりOFFからONへ誘導され、更にCreにより再びOFFへと制御される単一遺伝子制御用細胞株を用いた検討では、やはりFLPはCreの10倍量のウイルス量が必要であったものの100%の細胞で発現制御が可能であり、また我々が既に同定したCre発現ウイルスの"effective range"内の感染量では細胞への影響のない条件での連続的な発現制御が可能であった。次に1つの遺伝子をFLPで、更に時期を変えてCreにより2つ目の遺伝子を制御する複数遺伝子制御用細胞株を用いた検討でも各々の至適ウイルス量において時期を変えた独立した組換えの結果、100%の細胞での各々の遺伝子の発現制御が可能であり、細胞への影響も認められなかった。以上の結果から、本系の応用に向けた基礎的な検討は終了したものの、やはりFLPの組換え効率の上昇に向けた改良の必要性が示唆された。また本系の応用例としては、従来Creの部分的な組換えによりES細胞での薬剤選択マーカーの切り出しを行っていたコンディショナルノックアウトマウス作出法の簡便化が期待されるが、ES細胞への効率的はFLP発現組換えウイルス感染法の確立の必要性も示された。
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