2004 Fiscal Year Annual Research Report
リボヌクレオーム解析によるRNA修飾酵素遺伝子の網羅的探索
Project/Area Number |
04J11735
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池内 与志穂 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | tRNA / LC / MS / RNA修飾 |
Research Abstract |
現在までに逆遺伝学的な網羅的遺伝子同定法(リボヌクレオーム解析)によって大腸菌の新規RNA修飾酵素遺伝子を5つ同定することに成功している。この方法は、網羅的な遺伝子破壊株シリーズのそれぞれの株が含むRNA修飾を液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)で解析し、RNA修飾の欠落を遺伝子の欠損と対応付けることによってRNA修飾遺伝子を同定するものである。すでに1日19サンプルの自動分析を行うことができるシステムを構築し、これを用いて大腸菌ゲノムの約半分にあたる約2000遺伝子に相当する領域を解析した。新規に同定した遺伝子は、mnm^5s^2U(5-methylaminomethy1-2-thiouridine)の2-thio化を行う遺伝子tusABCDおよびac^4C(4-acetylcitidine)のacetyl化を行う遺伝子tmcAである。これらのRNA修飾はともにtRNAのアンチコドン1字目に存在し、タンパク質合成の調節をおこなうことが知られている。新規遺伝子の探索と平行し、これらの新規遺伝子とすでに同定を報告した必須RNA修飾遺伝子(tilS;イソロイシンtRNAライシジン合成酵素)[Mol. Cell,12,689-698.(2003)]に関する詳細な解析も行った。2thio化については、すでに関与が報告されている遺伝子iscSおよびmnmAに加え、同定したTusABCDを併せて作用させることにより、既存のin vitro反応系の約10倍の効率でtRNAを2チオ化することに成功した。また、ac^4CをTmcA単独で形成できることにも成功している。また、tilSの基質認識機構や活性残基、反応機構などを解析し、明らかにした。現在、これらの詳細な解析とともに、さらなる遺伝子の探索を行っている。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Substrate tRNA recognition mechanism of tRNA(m7G46) methyltransferase from Aquifex aeolicus2004
Author(s)
Okamoto, H., Watanabe, K., Ikeuchi, Y., Suzuki, T., Endo, Y., Hori, H.
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Journal Title
J.Biol.Chem. 279
Pages: 49151-49159