2005 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞におけるリン酸化酵素NIKを介した恒常的NF-kB活性化誘導機構の解析
Project/Area Number |
04J11792
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
斉藤 達哉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | NF-κB / TNF recetor / Toll-like recetor / IRF-3 / Kinase |
Research Abstract |
転写因子NF-κBは様々な腫瘍細胞で恒常的に活性化されており、腫瘍細胞の増殖、転移、浸潤に深く関与している。研究代表者らは、肺癌患者由来の細胞株にIκB kinaseやTRAFのDominant Negative変異体を導入するとNF-κB活性が低下することを見いだした。そこで、肺癌細胞で過剰発現しており、なおかつNIKを介してNF-κB活性化を誘導するLT-βRに対するshRNAを肺癌細胞株に導入し、NF-κB活性に対する影響を検討した。その結果、肺癌細胞株ではLT-βRに対するshRNA発現によるNF-κB活性の低下が観察された。また、不死化したラット繊維芽細胞にLT-βRを発現させるとNF-κB活性依存的に細胞が形質転換する事を見いだした(斉藤達哉ら、第28回日本分子生物学会年会、2005)。 イソメラーゼの一種であるPin1は様々な癌細胞において過剰に発現している事が知られており、乳癌患者由来の細胞株において恒常的NF-κB活性化を担う事が既に報告されている。研究代表者はPin1を効果的に減少させる事のできるshRNAを発現するレトロウイルスベクターを作製し、共同研究者として前立腺癌患者由来の細胞株の悪性形質にPin1が深く関わっている事を示す研究に参加した(Ryo A et al.,Clin.Cancer Res.,2005)。さらに、研究代表者はPin1が抗腫瘍活性を持つ可能性が示唆されている転写因子IRF-3のシグナル伝達経路を抑制する事を見いだした(斉藤達哉ら、第35回日本免疫学会総会、2005)。 昨年度報告したA20によるシグナル伝達経路の制御機構に関する邦文の解説(斉藤達哉、臨床免疫、2005)、及びA20に関する英文のreviewを執筆した(Saitoh T and Yamaoka S.,AfCS-Nature Molecule Pages, Accepted)。
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Research Products
(2 results)