2004 Fiscal Year Annual Research Report
MYCNによるMitotic catastrophe誘導の解析
Project/Area Number |
04J12116
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
杉原 英志 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 中心体 / MYCN / p27 / DNA損傷 / 神経芽腫 |
Research Abstract |
1.DNA損傷後、MYCNによって生じた中心体数異常増加の機構の解明 がん遺伝子MYCNを遺伝子導入した神経芽腫の細胞株にγ線を照射した後、FACS解析にてDNA含有量を調べたところ、多倍体化した細胞はほとんどみられず、DNA損傷後に増加した中心体数異常は1細胞周期中に生じることが示唆された。さらに、この細胞株へAphidicolinを処理し、細胞周期のS期で同調させると同時にDNA損傷を与えた結果、中心体数異常増加はS期からG2期の間に生じることがわかった。 2.DNA損傷後、MYCNによる発現制御遺伝子の探索 DNA損傷後、MYCN導入株と対照株において中心体数異常に関与すると考えられるタンパク質群の増減の検討を行った結果、中心体複製を制御するCDK2の阻害因子の一つであるp27がMYCN導入株にて減少していることがわかった。また、p27の減少はプロテアソーム阻害剤であるMG132処理によって回復したことから、MYCNはp27をタンパクレベルで減少させることがわかった。さらに、p27のcDNAを入手し、p27発現ベクターを構築した後にMYCN導入株で発現させたところ、DNA損傷後の中心体数異常が抑制された。以上のことから神経芽腫細胞株においてMYCNによるp27の発現抑制がDNA損傷時の中心体数異常の増加を引き起こすことを明らかにした。 来年度は1及び2の知見をもとにp27ノックアウトマウスの胎児線維芽細胞株やp27のsiRNAを処理したヒト細胞株を用いて、直接的にp27の減少がDNA損傷時の中心体数異常の増加を引き起こすかどうか、また、Mitotic catastropheが生じるかどうか検討を行う予定である。
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