2005 Fiscal Year Annual Research Report
MYCNによるMitotic catastrophe誘導の解析
Project/Area Number |
04J12116
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
杉原 英志 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MYCN / 中心体 / DNA damage / p27 |
Research Abstract |
1.p27タンパク質減少によるDNA損傷時の中心体数異常増加の解析 前年度に得られた結果をもとに、p27タンパクの減少がDNA損傷後の中心体数異常を生じさせるかどうか詳細に解析するため、p27ノックアウトマウス胎児線維芽細胞(p27-/-MEF)にγ線を照射したところ、野生型に比べ、有意に中心体数異常が生じることがわかった。さらに、ヒト正常線維芽細胞(NB1RGB)及びヒト神経芽腫細胞株(SHEP)にp27siRNAを処理した後、γ線を照射したところ、p27-/-MEFと同様に中心体数異常が増加した。また、p27-/-MEFにおいて中心小体特異的タンパク質であるcentrin-3の免疫染色の結果から、DNA損傷後に過剰に増加した中心体は一対の中心小体を含む機能的な中心体であることもわかった。さらに、p27-/-MEFのDNA含有量をFACSにて調べたところ、8Nのピークがほとんど見られなかったため、細胞質分裂異常が中心体数異常を増加させたのではないことがわかった。 2.MYCNによって生じる細胞死の解析 MYCNをSHEPに過剰発現させたところ、癌抑制遺伝子であるp53のタンパク質量が著しく増加することが確認された。このp53の増加はDNA損傷シグナル経路として知られるATMに依存して増加することがわかった。さらにMYCN発現細胞にDNA損傷を与えるとp53依存的な細胞死が増加することがわかった。 来年度はp27によるDNA損傷後の中心体数制御の分子機構、またMYCNによってもたらされる細胞死(Mitotic catastrophe)やMYCNによるp27の発現制御に関して検討を進める予定である。
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