2005 Fiscal Year Annual Research Report
新なんてん望遠鏡による観測システム及び解析システムの開発
Project/Area Number |
04J52552
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笹子 宏史 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 観測ソフトウェア / 観測装置 / 電波望遠鏡 / ミリ波・サブミリ波観測 / 電波天文学 / NANTEN2 |
Research Abstract |
現在、名古屋大学のNANTEN2電波望遠鏡のチリアタカマ高地への設置作業を進めている。特に望遠鏡性能に重要な(1)主鏡面誤差の測定、測定ソフトウェアの開発、(2)ポインティングエラーの測定、測定ソフトウェアの開発を行った。また、(3)搭載する光学素子の調整と望遠鏡観測システムの動作試験を実施し、2005年9月のファーストライト観測に成功している。 (1)主鏡面誤差の測定 NANTEN2の主鏡は、駆動可能な33枚のアルミパネルから構成されるが、サブミリ波観測ではそれらを15μmRMS以内に調整する必要がある。そのため、電波干渉を利用して測定するホログラフィ法と、光学写真を利用して三角測量を行うフォトグラメトリ法の二つの方法で検証する。現在までに、それぞれ25μmRMS程度の測定結果を得ている。一方、フォトグラメトリの解析結果から100μm程度の望遠鏡仰角に依存した補正必要なエラーを検出した。現在、測定結果の確証を得るために駆動アクチュエータとパネルを直接機械的に測定する準備を進めている。 (2)望遠鏡ポインティング補正のための光学ポインティング調整用ソフトウェアの開発 NANTEN2の高分解能観測では、2.2秒角RMS以上の精度で天体追尾する必要がある。このために、光学望遠鏡を利用した光学ポインティング調整と、電波観測によるポインティング調整を実施する必要がある。これらのうち、光学ポインティング調整に必要なソフトウェアを開発し、実際に測定を行った。これまでに2秒角RMSの測定に成功している。 (3)光学系の調整、観測システム全体の動作試験 観測に必要な光学素子の搭載と調整、駆動試験を行った。また、望遠鏡駆動に使用するコントローラの更新を行い、それぞれ動作確認を行った。ドーム、望遠鏡、受信器、分光系等の一連の動作を検証し、2005年9月にファーストライト観測に成功した。
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Research Products
(1 results)