2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己説明性および進化容易性を有する電子自治体シミュレータに関する研究
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04J54141
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Research Fellow |
早坂 良 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自己説明性 / アカウンタビリティ / 進化容易性 / オントロジ / 電子自治体 / Law-Definedシステム / アーキテクチャ / 原因結果グラフ |
Research Abstract |
本年度は、電子社会システムを抽象したシステムであるLaw-Definedシステムを対象として、以下の3点について研究を実施し、その成果を学会にて発表した。 1.アカウンタビリティを実現する参照アーキテクチャの定義 本研究では、既存の情報システムに対する最小限の変更でアカウンタビリティを追加するアプローチをとった。本アーキテクチャは、既存の情報システム、ユーザインタフェースおよびアカウンタビリティサブシステム、情報システムを再利用しつつアカウンタビリティを追加するための機構であるインターセプタ・プロキシ、および4種のデータベースから構成される。実行ログおよび情報システムが持つデータベースを用いることにより、利用者からの質問に対する説明を行うことができる。 2.参照アーキテクチャと3層モデルとの対応 既存の電子社会システムにおいて一般的に採用されている3層モデル(ユーザインタフェース、プロセス管理、データベース管理)と参照アーキテクチャとの対応を示し、この対応を用いて3層モデルに基づく履修管理システムの設計を示した。また、履修管理システムのプロトタイプシステムを実装し、参照アーキテクチャの有効性を確認した。 3.オントロジおよび原因結果グラフを用いたアカウンタビリティ設計手法の開発 Law-Definedシステムの機能は規則(law)によって規定される。そのため、自然言語で記述される規則からアカウンタビリティを抽出し形式化する必要がある。規則に現れる概念をオントロジによって整理し、「条件」と対応する「機能」との論理関係を原因結果グラフを用いて記述し、それを基にアカウンタビリティ・ユースケースをモデル化する設計手法を開発した。また、履修管理システムを対象としたケーススタディを行い、本設計手法の有効性を確認した。
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Research Products
(4 results)