1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05402027
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 順三 京都大学, 工学部, 教授 (80026278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 康仁 京都大学, 工学部, 助手 (00225666)
辻 博司 京都大学, 工学部, 助手 (20127103)
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Keywords | 負イオン / 負イオン注入 / イオンビーム輸送 / チャージアップ / 帯電緩和 / 空間電荷中和 / 二次電子 / 物性制御 |
Research Abstract |
本年度は、6インチシリコン基板が搭載できる負イオンビーム処理装置を購入し、実際に各種の試料に負イオン注入を行って、当初計画した研究を遂行することができた。その概要を以下に記す。 1.負イオンチャージアップ現象の理論解析と計算機シミュレーション 孤立電極へ負イオン注入した時のチャージアップは、二次電子のエネルギー分布と二次電子放出比により決定されることを理論的解析により明らかにした。また、二次電子放出比やエネルギー分布を実際に測定して、この理論解析が正しいことを実験的に証明した。更に、導体と絶縁物におる微細周期構造への負イオン注入時の帯電状態を計算機シミュレーションした結果、導体部と絶縁部の帯電は互いに緩和し合うことが判明した。 2.負イオンチャージアップ電位計測法の研究と表面電位測定 負イオン注入中に放出される二次電子のエネルギー分析より、絶縁物の負イオンチャージアップ電位計測法を開発した。これにより、ゲート酸化膜に用いられる二酸化シリコン膜、半導体プロセスに利用されるホトレジスト膜、液晶用TFTの基板となる石英硝子や無アルカリガラスの負イオン注入時の表面電位は負の数Vと極めて小さいことが明らかにした。また、その帯電機構モデルとして、電気2重層モデルを提案した。 3.負イオン注入したデバイスの評価 6インチシリコン基板上に形成した微小なゲート酸化膜(20nm)の帯電劣化試験用デバイス(TEG)に負イオン注入を行った。そして、デバイスの性能を評価した結果、アンテナ比が10^4以下では100%、また、10^5でも97.7%のゲート酸化膜が負イオン注入後も正常であることが明らかとなった。これらにより、負イオン注入法の実用化の見通しが得られた。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] Junzo Ishikawa: "Negative-Ion Source for Implantation and Surface Interaction of Negative-Ion Beams(Invited)" Review of Scientific Instruments. Vol.65,No.4. 1290-1294 (1994)
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[Publications] Junzo Ishikawa: "Application of Negative-Ion Beams" Surface and Coating Technology. Vol.65. 64-70 (1994)
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[Publications] Hiroshi Tsuji: "Negative-Ion Production Probabibility in RF Plasma-Sputter-Type Heavy Negative-Ion Source" Review of Scientific Instruments. Vol.65,No.5. 1732-1736 (1994)
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[Publications] 辻博司: "負イオン注入における絶縁した電極表面の帯電電位のイオン電流密度依存性" 真空. 第37巻第3号. 135-138 (1994)
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[Publications] 辻博司: "イオン誘起二次電子による負イオン注入時の絶縁物基板の帯電測定" 真空. 第37巻第3号. 138-142 (1994)
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[Publications] Junzo Ishikawa: "Negative-Ion Implamtation Technique(Invited)" Nuclear Instruments and Methods B. (to be published). 6 (1995)
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[Publications] Junzo Ishikawa: "The Charging Mechanism of Insulated Electrode in Negative-Ion Implantation" Nuclear Instruments and Methods B. (to be published). 4 (1995)
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[Publications] Hiroshi Tsuji: "High-Current RF-Plasma-Sputter-Type Heavy Negative-Ion Source for Negative-Ion Implanter" Ion Implantation Technology 94. (North-Holland)(to be published). 4 (1995)
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[Publications] Hiroshi Tsuji: "Charging Voltage Measurement of an Isolated Electrode and Insulators during Negative-Ion Implantation" Ion Implantation Technology 94. (North-Holland)(to be published). 4 (1995)
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[Publications] 辻博司: "200kV中電流負イオン注入装置の開発" 第5回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム論文集. BEAM1994. 23-26 (1994)
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[Publications] 辻博司: "粉末へのイオン注入による粒子飛散の基礎現象" 第5回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム論文集. BEAM1994. 185-188 (1994)
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[Publications] 辻博司: "負イオン注入における孤立電極の帯電電位モデルとその検証" 第5回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム論文集. BEAMS1994. 209-212 (1994)
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[Publications] 辻博司: "RFプラズマスパッタ型負重イオン源におけるガス物質の負イオン引き出し" 第4回負イオン源及び負イオンビームとその応用研究会論文集,NIFS Report. NIFS Report 1995(to be published). 5 (1995)