1994 Fiscal Year Annual Research Report
新しい農業の担い手新規参入とUターン就農者の定着条件に関する実証的研究
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05660258
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Research Institution | RAKUNO GAKUEN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
市川 治 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (20212988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
發地 喜久治 酪農学園大学, 酪農学部, 講師 (40244842)
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Keywords | 新規参入方法 / 三つのパターン / 地域的な支援システム / 作業受託組織の形成 / 経営基盤の整備 / 環境整備 / 生産組織 / 経営・技術指導 |
Research Abstract |
本研究は、農業への新規参入者とUターン者の最近の動向を、農家の直系家族・長男が農業を継ぐという、これまでの日本農業における担い手の補完・定着システムの再検討を迫る動きでもあると捉え、その実態を調査し、新しい農業の担い手としての評価と位置づけを明確にする。同時にその定着条件を究明することである。この問題意識に基づく研究を総合的に進めるため、平成6年度では平成5年度の成果を踏まえ、補完調査を道内十勝や檜山、空知、府県の千葉県内などで行った。 ここでは、類型別の新規参入方法を検討し、農外からの新規参入者をも構成員に加えている農業生産法人についても、それらの担い手が定着する条件として必要とされる行政施策や、地域社会(ムラ)における支援の仕組みを明らかにし、その効果的なあり方を究明した。つまり、農業への新規参入の方法としては、第一に農家への直接参入がある。その前段として農業関係の仕事や農業研修などに参加している。第二に酪農にみられるヘルパー利用組合のヘルパーや、生産組織のオペレーターになって技術(資金)を獲得してから参入する。さらに、第三に農業生産法人の従業員になって農業技術を身につけてから参入する、あるいは構成員になるなどの三つのパターンがみられる。また、定着条件としては、共通のものとして低利の融資、減税措置や生活面での資金の援助なども含む行政や農業団体の助成制度などの地域的な支援システムが必要である。土地利用型農業経営地帯の参入では農繁期・労働ピーク時の労働支援組織・作業受託組織の形成や、土地を中心とする経営基盤の整備、都市生活者でも生活可能な生活しやすい環境整備などが必要である。労働集約型農業経営地帯の参入では、産地づくりや出荷組織などの生産組織へのスムースな加入が可能な条件整備や、経営・技術指導などを必要としていることなどが明らかになった。
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