2006 Fiscal Year Annual Research Report
界面活性剤の界面における多重ラメラ膜形成に関する研究
Project/Area Number |
05F05137
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒殿 誠 九州大学, 大学院理学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AZIZIAN Saeid 九州大学, 大学院理学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 吸着膜の相転移 / 外部反射FTIR / エリプソメトリ / 動的表面張力 |
Research Abstract |
空気/水表面におけるエチレングリコールモノドデシルエーテル(C12E1)吸着膜の相転移 界面で多重膜が形成されるための必要条件の一つは、界面吸着膜が凝縮膜のように非常に密な膜を形成することである。本研究では、C12E1がその水溶液から表面に吸着し、膨張膜から凝縮膜へ相転移を起こすことを、表面張力の濃度依存性、外部反射FTIR測定、エリプソメトリにより明らかにした。一定濃度における表面張力の時間依存性では、相転移に対応する表面張力値で一定時間プラトーとなることが示された。ある濃度以上の時間依存性ではつねに同じ表面張力でプラトーとなった。したがって、この表面張力が相転移に対応していることが明らかとなった。次に相転移を分子レベルで明らかにする目的で、外部反射FTIR測定装置を組み立てた。実験条件の設定にいくらか経験を要したが、解析に十分の反射スペクトルがえられた。相転移近傍でのメチレン基の対称および非対称伸縮振動の、相転移近傍での吸収波長のシフトと吸収強度の変化に注目して実験を進めた。この結果、相転移付近の濃度で、透過スペクトルでの液体状態に対応する波長から固体状態に対応する波長への大きな変化が観測され、明らかに炭化水素鎖の運動の制限が観測された。さらに2次元FTIR解析により、相転移近傍での波長の変化は、液体および固体状態のスペクトルの重ね合わせから生じることが明確示され、相転移が証明された。エリプソメトリの結果も、界面での厚みが相転移近傍で急激に変化することを示した。したがって、表面張力、FTIR測定、エリプソメトリすべての測定から相転移が示され、その状態も明らかとなった。
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Research Products
(1 results)