2005 Fiscal Year Annual Research Report
フィトクロムAの細胞内分布の機能的意義と制御機構の研究
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05F05180
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷 あきら 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TOLEDO-ORTIZ Gabriela 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 植物 / シグナル伝達 / タンパク質 / フィトクロム / 光応答 / 遠赤色光 / 分子種特異性 / 核 |
Research Abstract |
phyAは、phyBとならんでフィトクロムの主要分子種と位置づけられる。phyAとphyBの生理作用の多くは重複するが、phyB応答が赤色光下で強く見られるのに対して、phyA応答は主に連続遠赤色光下で見られる。このような違いの分子基盤について明らかにするため、phyAにGFPを癒合させたタンパク質をシロイヌナズナのphyA変異体背景でPHYA遺伝子プロモーターを用いて発現させ(APAG)、その生理作用と細胞内分布を詳しく調べた。また、この融合タンパク質にさらに核局在シグナル(APAGL)または核排出シグナル(APAGE)を付加しその細胞内作用部位についても同様の解析を行った。まず、これらの系統について導入タンパク質の発現量をイムノブロット法によって確認した。その結果、野生株と同程度の発現を示す複数の株が同定された。さらに、それらについて連続遠赤色光への応答を調べ、長時間照射に対して、APAGとAPAGLは同様に応答するのに対して、APAGEの応答は顕著に弱いことが分かった。従って、phyAもphyBと同様に核内でシグナルを伝達することが強く示唆された。さらに、この生理応答をより詳しく調べるために、比較的短時間の光処理に対する応答をビデオカメラを用いて観察した。その結果、長時間照射では見られなかったAPAGとAPAGLの差がみられ、APAGLの方がより素早く光に応答することが分かった。この結果も、phyA応答において核が重要な働きをしていることを示唆するものである。
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