2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05293
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平田 典子 (河野 典子) 日本大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ADAM David 日本大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 整数値関数 / 標数正の関数論 / Polyaの定理 / 多項式 / 整数格子 / 差分 |
Research Abstract |
整数値をとる解析的な一変数関数がどのような条件下において多項式に限ると言えるかという問題について考えた. 1)Polyaの定理、深沢-Gel'fondの定理などの結果が標数ゼロの場合にある.Polyaの定理は「自然数において整数値をとる1変数複素整関数」について,オーダーがlog2未満であるものは多項式である,という結果である.M.Carはこの結果を正標数の場合に考えた.M.Carが得た結果は「整数で整数値をとる整関数は,オーダーがtならば多項式となる」というアナロジーそのままである.ここで言う整数とは,正標数の場合であるから,qを素数pの累乗としたときの,位数qの体係数の多項式環のことをさす.しかしtがあまり良くない値であったところを,ADAMが証明の1部を工夫することによって,最良のものに改良した.証明法は新しい整数基底を取ったことである. 2)(1)の拡張として,複数個の関数を考え,有理数上一次従属になるための条件を定式化する問題の正標数の場合のアナロジーを調べた.また整数値に近い値を取る関数についても,同様の結果の正標数の場合を考察した.Schneiderの方法が正標数の場合でも使えることが示せる.さらに一般次元の整数格子に値をとる関数の関連する問題について現在考察している. 3)いくつかの条件を与えると定数関数になるという標数正のADAMの結果がある.今度は逆にその標数ゼロの場合について考えた.これはGel'fondによって証明されていたが,複数個の関数についての拡張も考えることが出来た. また「微分」係数が整数値を取る,というGel'fondの定理のアナロジーについても考えたいが,これは標数正ではうまくいかないので「差分」を考察する.
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Research Products
(1 results)