2005 Fiscal Year Annual Research Report
野生オオムギHordeum spontaneumにおける乾燥耐性遺伝子のマッピング
Project/Area Number |
05F05642
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
小松田 隆夫 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物ゲノム研究ユニット, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 国雄 独立行政法人農業生物資源研究所, 外国人特別研究員
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Research Abstract |
オオムギは主にビール醸造や飼料用として世界的に重要な穀物であり、今後新たな知見を利用した一層の高品質化や高度耐病性、そしてストレス耐性付与が強く望まれている。特に近い将来予想される深刻な水不足に対応した研究は重要である。野生オオムギは中近東地域の気象や土壌条件に適応して自生するなど環境適応能力が高く、栽培オオムギの品種改良に有用な遺伝資源である。本研究は水分ストレスに関する耐性機構と小穂脱落性機構との関連を解明するため、特別研究員が自ら発見し生理学的な特徴付けをした野生オオムギ突然変異体eibilを用いて、遺伝子のマッピングをおこない、遺伝子単離と機能解析に向けた基礎的研究を行うものである。 eibilは野生オオムギから得られた自然突然変異体であり、乾燥耐性がきわめて低下し、さらに野生オオムギに特徴的な小穂脱落性を欠失している。オオムギ葉身の水分の喪失し易さを簡便に評価する実験手法を確立した。その結果、2cm程度の長さの葉片を用い、1時間程度で変異体と野生型との間で明確な差を認めることが出来た。 eibilの小穂脱落性に関する遺伝子型を推定するため、btr1btr1Btr2Btr2型テスターおよびBtr1Btr1btr2btr2型テスターと交配し、交雑F_1種子を作成し、小穂脱落性検定のために交雑F_1植物を育成した。また、小穂非脱落性遺伝子btr1およびbtr2のマッピングのため、オオムギゲノム情報に基づくRFLP-STS、SSR、EST-SSR等の公開情報を用いて、分子マーカーを開発した。
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