2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05F05688
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
矢部 希見子 独立行政法人食品総合研究所, 生物機能開発部, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ARI Mohammad Babar 独立行政法人食品総合研究所, 生物機能開発部, 外国人特別研究員
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Keywords | アフラトキシン / 遺伝子破壊 / 破壊ベクター / 分子生物学的手法 |
Research Abstract |
アフラトキシンは特定のカビが生産する自然界で最も発ガン性の高い物質であり、さらに強力は急性毒性を有している。アフラトキシンによる穀物汚染は世界的に深刻な問題となっているが、未だアフラトキシン汚染の有効な防御法は得られておらず、汚染穀物のほとんどが廃棄されている。そこで、効果的なアフラトキシン汚染の防御法を開発するための基礎的知見として、アフラトキシン生合成機構を解明することを目的としている。そのために、カビによるアフラトキシン生産は培養条件に依存して生産されたり、されなかったりするため、制御機構を生化学的及び分子生物学的な手法を用いて解析する。 平成17年度は、PCRや遺伝子破壊等、分子生物学的手法を習得する事を中心に研究を進めた。アフラトキシン遺伝子クラスターに隣接する機能が未知であるsugR遺伝子の破壊を試みた。まず、sugR遺伝子プライマーを遺伝子情報に基づいて設計し、カビのDNAをテンプレートとしてPCRを行い、PCR産物を精製した。次に選択マーカーとPCR遺伝子断片をPCRを利用してつなげ、遺伝子破壊ベクターを構築した。一方、カビからプロトプラストを調製し、破壊ベクターを形質転換し、薬剤耐性を利用して形質転換株を選抜した。得られた形質転換株からDNAを調製し、PCRを利用して、目的とする遺伝子破壊株の選択を試みた。形質転換効率が低く、遺伝子破壊株は得られておらず。18年度もさらに技術の向上に努め、目的とする破壊株を得て、アフラトキシン生産性との関連を検討する予定である。
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