2005 Fiscal Year Annual Research Report
中性K中間子稀崩壊モードの精密測定による小林益川行列の複素パラメータの決定
Project/Area Number |
05J02132
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 七重 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フレーバー物理 |
Research Abstract |
BNLで計画されていた中性K中間子稀崩壊モード探索実験のための荷電粒子Veto検出器の開発を行ってきた。この検出器はプラスチックシンチレーター・波長変換ファイバー読み出し型の出器であり、我々は必要な光量を得るために集光をより効率よく行わせるための研究を行ってきた。効率のよい集光のためにはシンチレーターの発光波長とファイバーの吸収波長、ファイバーの発光波長と光検出器の波長感度が各々整合していることが重要である。またシンチレーション光を効率よくファイバーに導くために、反射材やシンチレーターとファイバーの接触部分をどのようにすべきかについても検討する必要がある。前者に関してはこれまでの研究でシンチレーターとファイバーの組み合わせの最適化を行い、ファイバーの発光波長に適した高感度光検出器を用いることでより多くの光量を得られている。今年度はシンチレーターとファイバーのコンタクトに関して屈折率の異なる物質を用い測定を行うことで、より効率のよい集光が得られ光量を増やすことができた。またEJ212、EJ204A、SCSN81の異なる種類のシンチレーターとファイバーの組み合わせを試し、昨年度に比べ二倍近い光量を得ることができた。シンチレーター表面をアルミ膜でさ蒸着し、片面蒸着・画面蒸着の場合の反射材としての効果を調べ、これまでの測定との比較を行った。 さらに反射材の効果、コンフィグレーションの違いや接触部分での集光のメカニズムを理解するためにGEANT4を用いたシミュレーションを行い、シミュレーションパラメーターを最適化した。その結果、シミュレーションは測定結果をよく再現し、コンフィグレーションの違い等をよく理解することができた。さらに最適化されたシミュレーションを用いた予測が可能になり、シンチレータの溝の形状や、ファイバーの埋め込み位置等さらに最適なパラメータを決定することができた。 これによって荷電粒子検出器としての必要とされる光量を得られ、充分な性能を持つことが確認できた。この結果については春の学会で発表を行った。
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