2006 Fiscal Year Annual Research Report
中性K中間子稀崩壊モードの精密測定による小林益川行列の複素パラメータの決定
Project/Area Number |
05J02132
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 七重 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フレイバー物理 |
Research Abstract |
本研究はFCNC過程を通して起こる崩壊事象の解析を行い、小林・益川行列のパラメータを決定することで、標準理論の検証およびそれを超える物理の探索を目的としている。2007年夏までにKEKB/Belle検出器において収集が期待されるデータを用いてb→dγ事象であるB→(ρ,ω)γの分岐比と荷電非対称度の測定を目標としている。既に分岐比に関しては、KEKB/Belle実験とアメリカのSLACで行われているBABAR実験によって、約360/fbのデータを用いて測定されており、本研究ではその約二倍の統計量を用いて分岐比の値を更新することを予定している。また荷電非対称度については、世界初の測定を目指している。そのため本年度は解析手法の向上を目指して研究を行ってきた。約700/fbのデータ量に合わせて解析に用いるパラメータの値の最適化を行い、また新たな解析方法の確立にも取り組んでいる。現時点では既に解析に用いられた360/fbのデータを使って、これまでの結果との整合性をチェックし、バックグラウンド等の見積もりが正しいことを確認した。さらにバックグラウンド事象をより効率良く除去するために、B→γγやB→ωKγにおいて用いられる解析手法を取り入れている。2007年の夏に分岐比の更新と、荷電非対称度の測定結果を出すことを目標としており、これらについて今年度中の雑誌論文への投稿を目指す。
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