2005 Fiscal Year Annual Research Report
断層調査・変形実験・シミュレーションの融合による沈み込み帯の地震の発生機構の解明
Project/Area Number |
05J02149
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野田 博之 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 断層 / 地震 / 摩擦試験 / 浸透率 |
Research Abstract |
昨年度、前半は主に、ねじり式剪断試験機の立上げ、及び、ODP・Leg・1174により、南海沖のデコルマより採取されたサンプルを用いた二軸摩擦試験を行った。後半は、九月よりアメリカ、ハーバード大学へSpecial Studentとして渡航、Rice教授、Dunham博士と共同で、Spectral Boundary Integral Methodを用いた、弾性体中の破壊の伝播シミュレーションのコードにThermal Pressurization及びFlash Heatingによる、断層の高速運動時の動的な応力降下の影響を組み込む作業を行っている。また、Finite Difference Methodを用いた破壊の伝播シミュレーションにThermal Pressurizationを組み込んだ計算結果を論文にまとめ、J.Geoph.Res.へ投稿した。 ・ねじり式剪断試験機の立上げ 電気系統、油圧系統の調整をほぼ終え、株式会社関ヶ原石材より、サンプルとして用いる斑レイ岩ブロックを購入した。また、本試験機に用いる記録計(白山工業、DATAMARK8000-SH)を購入した。 ・デコルマのサンプルを用いた摩擦実験 現在、アメリカ、Texas・A&M Universityへ留学中の北島弘子氏からサンプルの提供を受け、二軸摩擦試験機を用いた摩擦試験を行った。常温、垂直応力30MPa、湿潤条件下では、摩擦構成則のパラメータの1つであるa-bは正の値を示した。 ・高速変位時の断層強度低下を組み込んだ破壊のシミュレーション Thermal Pressurization(間隙流体圧の上昇による有効垂直応力の減少)、Flash Heating(温度上昇による微視的アスペリティの強度低下)を、Spectral Boundary Integral Methodを用いた破壊のシミュレーションに組み込む作業を現在行っている。
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Research Products
(1 results)