2005 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス抑制蛋白(IAP)を標的としたヒト癌分子免疫応答と治療法開発
Project/Area Number |
05J02569
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
廣橋 良彦 札幌医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | サバイビン / CTL / マイクロアレイ / 新規癌抗原 / HLA-A24 |
Research Abstract |
【背景】我々はアポトーシスインヒビターの一つである癌関連分子サバイビンにコードされる腫瘍抗原ペプチドを用いた免疫療法の有用性を現在検討中であり、限られた数ではあるもののある程度の臨床効果を得るに至っている。そこで、さらに免疫療法に有用である抗原ペプチドを検索する為に、我々はDNAマイクロアレイによる遺伝子発現データベースを解析して、腫瘍特異的に発現する遺伝子群を同定した。 【方法と結果】DNAマイクロアレイによる約4000種類の正常組織サンプルと数百種類の腫瘍組織サンプルの遺伝子発現プロファイルデータベースを解析することによって、癌組織選択的に発現する遺伝子群Bioinformatics screening (BS) 1-27を同定した。次に各遺伝子について、正常組織と癌細胞における発現プロファイルをRT-PCR法にて検討し、正常組織では発現を認めず、癌細胞特異的に発現する遺伝子群を選別した。BS2、BS5肺癌細胞に、BS15は腎細胞癌に、BS20は前立腺癌に選択的に発現する癌関連分子であることが明らかになった。そこで、これらの癌関連分子が免疫系の標的となりうるかを評価するため、HLA-A24結合モチーフをもったアミノ酸配列を合成し、HLA結合アッセイを行った。現在、HLA-A24結合能を有するペプチドを用いて、癌患者末梢血からCTLが誘導されるか検討中であるが、BS2由来の抗原ペプチドにおいて、HLA-A24癌患者末梢血より、CTL活性を検出することができた。 【考察】今回、網羅的遺伝子発現解析により新規癌抗原分子を複数同定することができ、新たな免疫療法に適応可能な抗原ペプチドの開発の基盤として期待がもたれる。
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Research Products
(6 results)