2005 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質間相互作用と立体構造解析に基づく免疫細胞受容体LIR/ILT群の機能解明
Project/Area Number |
05J05883
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白石 充典 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | LIR / human MHC class I / cell surface receptor / surface plasmon resonance / X-ray crystallography / interaction |
Research Abstract |
Leukocyte Ig-like receptor(LIR,別名LILR、Ig-like transcript(ILT)、CD85)群は白血球に幅広く発現する受容体で、活性型(LIR6,7,9a,ILT7,8,10)、抑制型(LIR1,2,3,5,8)、分泌型(LIR4,9b)が存在する。本研究では、LIR/ILT群受容体について、リガンド候補分子との相互作用解析からリガンドの特定を行う。また立体構造解析を行うことで、リガンドが特定できなかった受容体についても構造的見地から分子認識について深い議論ができると考える。LIR/ILT群の分子認識機構の全体像を明らかにすることにより、免疫細胞の機能制御の理解につながる基礎を築くことが本研究の目的である。 本年度はまず全てのLIR/ILT受容体群のクローニングを行い、大腸菌を用いた大量調製、巻き戻し系の確立を行った。LIR3、4、6、7、8、9、ILT7については発現系や培養条件を最適化することで封入体の形で培地1L当り10mg以上の蛋白質を得ることができた。またこのうちLIR3、4、7、8、9については巻き戻しにより解析に十分な量の蛋白質を得ることができた。LIR6、ILT7については巻き戻し条件の最適化を行っても十分量を得ることができなかった。LIR5は少量ながらも結合試験に必要な量を巻き戻しにより調製できた。構造解析に必要な量を確保するためには、LIR5、6、ILT7については発現系自体の見直しをする必要がある。またこれらの受容体のリガンド候補であるヒトMHCI(HLA-A2、A11、B27、B35、Cw4、Cw7、E、G1)の調製を行った。リガンド候補であるUL18の調製も試みたがうまく巻き戻すことができなかった。調製できた受容体およびリガンド候補から順次、表面プラスモン共鳴を用いて相互作用解析を行った。その結果、LIR4にアリル特異的(Cw4)な弱い結合が見られた以外は、ほとんど結合しなかった。LIR3、5、7、8、9についてはMHCI以外のリガンドを認識すると考えられる。最後にLIR3、LIR8、LIR9について結晶化のスクリーニングを試みた結果、LIR3、8では全く結晶が得られなかったが、LIR9で良好な結晶を得ることができた。
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Research Products
(3 results)