2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J06008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 博輝 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非線形振動 / 自己同期現象 / 自励振動 / 安定性 / クーロン摩擦 / 非線形固有モード / シューティング法 |
Research Abstract |
本研究では,振子型および回転子型自励振動子群で発生する自己同期現象を統一的に捉え,その特性を機械システムへ応用する方法を確立することを目指している.本年度は,振り子状に吊るされた水平台の上に2個のメトロノームを固定した系と,DCモータで駆動される回転おもりを搭載した2個のブロックの間をコイルばねで結合した系を取り扱った.同期解(周期解)の解析には高精度の数値計算法であるシューティング法を改良して適用した.なお,後者の系は同期発生時に推進する特徴を有しており,推進装置として利用できる可能性がある. 自己同期現象は多自由度非線形系における周期振動の一種であるので,その発生メカニズムは非線形固有モードの特性と密接な関係があると考えられる.そこで,シューティング法を用いた数値計算によって上記のメトロノーム系における非線形固有モードを求め,同期解と特性の比較を行った.これにより,メトロノーム系の自己同期現象に非線形固有モードの特性が強く現れていることが示された. 一方,DCモータ系については,作製した試作機に関する基本的な同期パターンおよび推進性能を数値計算と実験の両面から明らかにするとともに,RKG法を用いた数値シミュレーションにより,系の推進速度は設置面のクーロン摩擦力が作り出していることを示した.また,試作機の性能向上を目的として,パラメータ値の異なる複数のモデルの数値解析を行い,結合ばね剛性の増大や摩擦係数に方向依存性をもつ材料の使用といった改良法に関する指針を得た.さらに,上記の結合系(2個のブロックを結合した系)と同様の回転おもりを持つブロック単体のモデルにも推進が生じることを数値計算と実験で確認し,両モデルの系パラメータを試作機の値に設定して解を比較した.その結果,結合系のほうが高い推進性能を示したことから,自己同期現象を利用して推進することの有効性が確認された.
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Research Products
(2 results)