2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型脱水縮合反応に有効なアリールボロン酸触媒の分子設計
Project/Area Number |
05J07831
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
牧 利克 名古屋大学, 大学院工学研究科, 特別研究員-DC1
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Keywords | アリールボロン酸 / 脱水縮合反応 / グリーンケミストリー |
Research Abstract |
当研究室では、電子求引性基を有するアリールボロン酸がアミド及びエステル縮合反応に有効な触媒であることを報告している。この触媒を用いたアミド化反応は等モル量の基質で触媒的に進行し、副生成物が水のみであるという点で画期的であるが、低極性溶媒、共沸脱水という反応条件が必要であり、嵩高いカルボン酸やアミンを基質として用いた場合には十分な活性は得られていない。 そこで私は既存の触媒が苦手とする嵩高い基質に有効な触媒開発を目的に、テトラクロロカテコールボランを合成した。この触媒設計の狙いは触媒のホウ素周りの立体障害を小さくすることにより、活性中間体であるアシロキシホウ素錯体の生成段階で有利に働くのではないかと考えた。また、カテコールのベンゼン環上に電子求引性基を導入することにより、ホウ素のルイス酸性が向上することを期待した。実際に嵩高いカルボン酸を基質に用いてアミド化反応を行ったところ、既存の触媒よりも高い活性を示した。次にテトラクロロカテコールとホウ酸の等モル混合物を共沸脱水することによりテトラクロロベンゾ-1,3,2-ジオキサボロル-2-オールを系中で調製しアミド化反応を行ったところ、テトラクロロカテコールポランとほぼ同程度の活性を示した。さらにテトラクロロカテコールとホウ酸のモル比を1:2で調製した触媒はアミド化反応には不活性であったものの、ルイス酸複合型ブレンステッド酸として機能し、リッター反応に対して高い活性を示した。
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Research Products
(2 results)