2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパーブランチ多糖を用いた新規機能性ポリマーの創製とその機能評価
Project/Area Number |
05J09108
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北城 喜一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ハイパーブランチ多糖 / アミノ酸エステル / 両親媒性 / 水溶性ゲスト捕捉能 / 徐放能 / ドラッグデリバリーシステム / ポリラクチド / 酵素分解 |
Research Abstract |
1.コアにハイパーブランチ多糖、シェルにアミノ酸エステルを有する両親媒性ハイパーブランチ多糖は疎水性溶媒中において水溶性ゲストであるローズベンガルを捕捉する能力を有していた。また、そのゲスト捕捉量はポリマー1分子あたり22〜28分子であり、アミノ酸エステル基の置換度を変化させることで捕捉量を制御出来ることを見いだした。また、両親媒性ハイパーブランチ多糖によって捕捉されたローズベンガルは水中にて非常に遅い速度で放出されることから、両親媒性ハイパーブランチ多糖が低分子の貯蓄能力、および徐放能力を有していることがわかった。この機能を利用することで、捕捉した水溶性薬物を体内で徐放するドラッグデリバリーシステムへ応用することが可能である。 2.ハイパーブランチ多糖を多官能性開始剤とした星形ポリラクチドの重合を行った。重合時間や重合触媒である4-ジメチルアミノピリジンの添加等量を調節することによって、ポリラクチド鎖の鎖長や本数を制御した重合が可能となった。得られたポリマーはコアが水溶性、シェルが疎水性の両親媒性ポリマーであり、疎水性溶媒中で親水性ゲストを捕捉した。また、そのゲスト捕捉量をポリラクチド鎖の鎖長や本数によって変化させることに成功した。さらに、この星形ポリラクチドは内包ゲストの徐放能を有していること、ポリラクチド鎖の酵素分解による放出速度の変化が可能なことから、酵素を用いたコントロールドリリースシステムへの展開が期待される。
|
Research Products
(7 results)