2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパーブランチ多糖を用いた新規機能性ポリマーの創製とその機能評価
Project/Area Number |
05J09108
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北城 喜一 北海道大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ハイパーブランチ多糖 / アミノ酸エステル / 両親媒性 / 水溶性ゲスト捕捉能 / 徐放能 / ドラッグデリバリーシステム / ハイパーブランチ糖鎖 / 単分子ミセル |
Research Abstract |
コアにハイパーブランチ多糖、シェルにアミノ酸エステルを有する両親媒性ハイパーブランチ多糖を新規合成した。この両親媒性ハイパーブランチ多糖は疎水性溶媒中において水溶性ゲストであるローズベンガルを捕捉する能力を有していた。また、そのゲスト捕捉量はポリマー1分子あたり22〜28分子であり、シェルであるアミノ酸エステル基の置換度を変化させることで捕捉量を制御出来た。さらに、得られた両親媒性ハイパーブランチ多糖は極低濃度条件下においても機能を発現する単分子ミセルであった。両親媒性ハイパーブランチ多糖によって捕捉されたローズベンガルは水中にて非常に遅い速度で放出されることから、両親媒性ハイパーブランチ多糖が低分子の貯蓄能力、および徐放能力を有していることがわかった。この機能を利用することで、捕捉した水溶性薬物を体内で徐放するドラッグデリバリーシステムへ応用することが可能である。この研究成果は学術雑誌(Polymer 2007,48,1237-1244)によって誌上で発表された。 コアにハイパーブランチ糖鎖、シェルにトリチル基を有する両親媒性ハイパーブランチ糖鎖を合成し、その親水性ゲスト捕捉能について検討した。得られた両親媒性ハイパーブランチ糖鎖は疎水性溶媒中において水溶性ゲストであるローズベンガルを捕捉する機能を有していた。この両親媒性ハイパーブランチ糖鎖のミセル能はトリチル基の置換度によって大きく変化し、置換度が低い場合、会合体から成る通常の高分子ミセルとなるが、置換度が上昇することで安定な単分子ミセルとなることが分かった。また、両親媒性ハイパーブランチ糖鎖によって捕捉されたローズベンガルの放出能は、トリチル基の置換度によって大きく変化することを明らかとした。
|
Research Products
(2 results)