2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本におけるエレクトロニクス産業の技術発展-戦時期および戦後復興期を中心に-
Project/Area Number |
05J09213
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 裕喜 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 電話 / 自動交換機 / 戦前 |
Research Abstract |
1.日本における電話交換システムの技術発展について、戦前期に導入された自動交換機の技術的特徴や問題点を明らかにした。先行研究は主として戦後に形成された電電公社と民間メーカーの協力関係、いわゆる電電ファミリーに注目してきたが、戦前期の動向については十分に明らかにされているとはいえなかった。そこで逓信省工務局の技師の活動を中心に、自動交換機の初期における海外調査や、導入プロセス、輸入代替政策、さらに方式統一化をめぐる技術開発を取り上げた。初期において欧米各国からの輸入に依存したために、異なる方式が混在するという問題が生じたが、これを克服するために戦前期から逓信省と民間メーカーの共同研究が進められていた。これらは終戦までに成果を出すことはできなかったものの、逓信技師を中心にこうした問題関心は戦後に引ぎ継がれ、電電ファミリーにおいて規格統一が徹底される下地を形成することになった。 以上の調査を進めるために、今年度は主として東京の逓信総合博物館の資料を調査し、関連文献の渉猟に努めた。調査内容は英語論文「Research & Development in the Telecommunication Industry in Prewar Japan -Automatic Telephone System-」として執筆し、2005年1月5日〜8日に開催された経営史学会富士コンファレンスで報告された。 2.戦前期のラジオ産業における生産組織の変化について調査を進めた。国会図書館に所蔵の新聞雑誌を閲覧複写した。 3.ワシントンDCの米国立公文書館所蔵の資料、および議会図書館に所蔵のエレクトロニクス産業関連の資料を閲覧および複写した。
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