2006 Fiscal Year Annual Research Report
表面増強ラマン散乱法の液液界面ナノマッピングとキラル計測への展開
Project/Area Number |
05J09906
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 茂樹 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 液液界面 |
Research Abstract |
ナノ粒子によりマッピングを行う対象である,液液界面に生成した分子集合体について検討を行った.共鳴光散乱顕微法によって,液液界面に生成したポルフィリン集合体二次元ドメインの存在を明らかにした.これらドメインは規則的な結晶状の構造をしており,厚さ数ナノ,幅はマイクロメーターからミリメーターにまで達した.さらに偏光顕微測定を行うことでドメインを構成するポルフィリン分子の配向を明らかにした.その配向角は水相の対イオンに依存した.またラマンスペクトルおよび吸収スペクトルの対イオン依存性から,ドメインの形態および内部の配向を支配する因子を検討した.ポルフィリン会合体がマイクロメーター以上の大きなドメインを作ることはこれまでほとんど報告例が無く,さらにドメイン構造の対イオン依存性が明らかにされたのは今回が初めてである.現在Langmuirに論文を投稿中である. 膜状物質のキラリティー測定は,近年注目され必要とされている測定の一つである.しかし,膜状物質の直線配向成分の存在がその測定を非常に難しくしている.一方ラマン光学活性は多くのキラリティー情報を与えてくれる有用な測定法である.今回膜状物質のラマン光学活性を正確に測定するための装置を新たに考案し,その妥当性を考察した.また,現在装置部品の購入と設置を行った. ドデカンチオールで保護された銀ナノ粒子を液液界面に吸着させ,凝集させる新たな方法を行った.これによって高感度なSERS基板が作製できた.この方法では液液界面その場で単一分子レベルの測定が可能であった.
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Research Products
(2 results)