2005 Fiscal Year Annual Research Report
セミインタクト細胞とGFP可視化解析を用いた小胞体ストレス応答機構の解明
Project/Area Number |
05J10746
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 亜路 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 小胞体ストレス / 膜輸送 / 小胞体関連分解 / 膜融合 / ERES |
Research Abstract |
研究代表者はこれまでに膜タンパク質の細胞形質膜への輸送・ターゲティングおよび分解過程をGFP可視化しており、その動態・輸送キネティックスなどを定量的に解析する顕微アッセイシステム(セミインタクト細胞システム)を構築し、形質膜上に輸送された膜タンパク質が分解を受けるまでの寿命をリアルタイムで追跡する系を確立している。研究代表者は遺伝病由来の変異体膜タンパク質が小胞体ストレス刺激に応じて小胞体から細胞質に排出され直接分解されるのみならず、ゴルジ体への輸送される現象を見出している。本研究では既に構築しているアッセイシステムをさらに改良・活用することによって、ストレス依存的な応答を可視化解析することを目的とする。 小胞体からの物質輸送に必要なコンポーネントであるER exit site(ERES)を、ERESに局在するタンパク質であるYip1aとGFPとの融合タンパク質を用いることにより可視化した。ERESは小胞体上に多数存在し、ダイナミックに動きながら消長を繰り返しているが、細胞分裂期にcdc2キナーゼが膜融合過程に関与する分子p47をリン酸化することによりこのコンポーネント全体が崩壊することを示した。したがって、細胞分裂期に小胞体からゴルジ体への輸送が停止する分子的機構の一端を明らかにするとともに、p97-p47というよく知られた膜融合コンポーネントがERからの物質輸送に直接関与していることを証明した。
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