2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J10792
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福山 聡 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | NALT / CXCL13 / CCL19 / CCL21 / パイエル板 / 組織形成 / 胚中心 / M細胞 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き鼻咽腔関連リンパ組織(NALT)形成メカニズムのユニーク性を解明するという目的達成の為にリンフォイドケモカイン(CXCL13,CCL19,CCL21)のNALT組織形成ならびに構築における役割を検討した。リンフォイドケモカインは二次リンパ組織の初期形成に必須なケモカインとして知られている。これらのケモカイン遺伝子欠損マウスを用いた解析によるとバイエル板と異なりこれらのケモカインはNALT初期形成に関与しないことが明らかとなった。一方で、リンフォイドケモカインは恒常的に二次リンパ組織で産生が認められ、リンパ組織構築の成熟化に重要な役割を果たしている。NALTにおいても胚中心形成やT/B細胞領域などNALT組織構築の成熟化にはリンフォイドケモカインが必須であることが明らかとなった。 次にNALT形成不全マウスであるCXCL13^<-/->マウスに卵白アルブミン(OVA)などの抗原と粘膜アジュバントとしてコレラ毒素を同時に経鼻投与すると、抗原特異的な免疫応答が認められた。この現象はNALT非依存的な免疫誘導機構の存在を示唆すると考えられる。そこで、マウスの鼻腔粘膜組織を組織学的に詳細に観察したところM細胞特異的マーカーであるUEA-1陽性の上皮がNALTに関連しない鼻腔上皮の一部に存在することを明らかにした。UEA-1陽性上皮の抗原取り込み能を検討するために野生型マウスに蛍光標識した卵白アルブミン(DQ^<TM> ovalbumin)やrSalmonella-GFPを経鼻投与し、FACS解析および組織学的解析をおこなった。その結果、鼻粘膜UEA-1陽性細胞に高頻度で経鼻投与した抗原由来に蛍光シグナルを認めた。以上の結果から、上気道粘膜にはNALT非依存性のM細胞様の抗原取り込み上皮細胞が存在し、気道由来の抗原に対する特異的免疫応答に関与している事が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Intranasal immunization with phosphorylcholine induces antigen specific mucosal and systemic immune responses in mice.2007
Author(s)
Tanaka, N., Fukuyama, S., Fukuiwa, Kawabata, M., Sagara, Y., Ito, H., Miwa, Y., Nagatake, T., Kiyono, H., Kurono, Y.
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Journal Title
Vaccine 25・14
Pages: 2680-2687
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[Journal Article] Cutting Edge : uniqueness of lymphoid chemokine requirement for the initiation and maturation of NALT organogenesis.2006
Author(s)
Fukuyama, S., Nagatake, T., Kim, D.Y., Takamura, K., Park, E.J, Kaisho, T., Tanaka, N., Kurono, Y., Kiyono, H.
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Journal Title
Journal of Immunology 177・7
Pages: 4276-4280
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