2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 優 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非臨界弦理論 / 超弦理論 / 共形場理論 |
Research Abstract |
1.2次元ブラックホール中を運動するD-braneの研究。2次元ブラックホール中を運動するD-braneを厳密に記述する境界状態を構成し、その物理的性質を調べた。古典的な重力理論からのずれが大きくなると、ある種の相転移(ブラックホール・ストリング転移)が起こることを示した。この結果は、Kutasovによって予言された所謂「タキオン・ラディオン対応」を弦理論のα'の展開で厳密に示すものであり弦理論におけるα'補正における新しい知見をもたらすものである。 2.4次元超共形場理論の現象論への応用。超対称性の破れを標準模型に伝える機構を考える上で、グラビティーノ問題やフレーバー問題が存在する。4次元超共形場理論を用いることでこれらの解決が原理上可能であることは知られていたが具体的で有望なモデルは存在していなかった。私は超対称性を自発的に破る模型を4次元超共形場理論に埋め込むことで具体的にそのようなモデルを構築する事に成功した。 3.超対称共形場の指数の研究。超対称共形場の理論を分類することは、場の理論・弦理論の枠組みを定めるのに重要である。超対称共形場理論の指数は超対称共系場を特徴付ける新しい量であり、その性質を詳しく調べた。具体的に、オービフォルドゲージ理論や、コニフォールドゲージ理論で指数を計算し、AdS-CFT対応から予言される結果を再現することを示した。 4.SL(2,R)WZNW模型とLiouville模型の関連の研究。Stoyanovski-Ribault-Teschner mapとして知られる、両者を結びつける関係式を、一般化し、その物理的意味を調べた。
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Research Products
(3 results)