2006 Fiscal Year Annual Research Report
ウォータージェットを利用した高耐久性人工関節のナノメートルオーダ超精密加工
Project/Area Number |
05J11715
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤野 宏 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 人工関節 / ウォータージェット / 仕上げ加工 / UHMWPE / MPCポリマー / 接触角 / 高圧水銀灯 / グラフト重合 |
Research Abstract |
ウォータージェットで仕上げ加工をおこなった人工股関節骨頭において,表面がわずかに曇るという結果が得られたことから,曇りのない仕上げ面を得ることを目的に,ジェットの吐出圧力およびジェットの照射角度を変化させて人工股関節骨頭の仕上げ加工実験をおこなった.その結果,圧力が小さい方が,また,照射角度が大きい方が,より曇りの少ない仕上げ面を得られることが明らかとなった. また,人工関節の長寿命化を実現するために,超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)製インプラントの表面改質により摩耗を軽減する方法について検討をおこなった.その結果,UHMWPEインプラントの摩耗の軽減を実現するためには,この新しい潤滑のメカニズムを解明することが必要不可欠であることが明らかとなった. そこで,本研究ではこの新しい潤滑のメカニズムを解明するために,100W高圧水銀灯を用いてUHMWPE平板試料表面への親水性高分子であるMPCのグラフト重合実験をおこなった.実験において,UHMWPE試料をMPC水溶液(0.5mol/l)中に浸漬した状態で,100W高圧水銀灯の光を120分間照射した. 試料表面の親水性を評価するために,製膜前後における水滴による接触角の測定をおこなった結果,製膜前のUHUHMWPE試料表面の水に対する接触角が770°に対し,製膜後のUHMWPE試料表面の水に対する接触角は42.5°であった.この結果より,MPCの製膜によって,UHMWPE試料の表面の親水性が大きく向上することが分かった.
|