2005 Fiscal Year Annual Research Report
利用者行動と立体都市空間構成を反映した都市再構築のためのアクセシビリティモデル
Project/Area Number |
05J52982
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 栄治 首都大学東京, 都市環境学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アクセシビリティ / 身体能力 / 地形抵抗 / 換算距離 / 高齢者 / 施設配置 / 都市再構築 / 都市空間モデル |
Research Abstract |
本研究課題は,利用者の利用形態や身体条件と都市の諸機能を勘案し,都市の実状に近しい条件を付加した上で,利用者・居住者による都市の利用しやすさ、アクセシビリティを定量化する指標を開発し、グラフあるいは地図によって都市空間に内在するアクセシビリティを表現しつつ、最も「便利な」都市空間のモデルを構築することにある。 これまでの研究の中で,筆者は人々が地形による上り坂や下り坂,階段などの起伏のある地域で生活する場合,それらの起伏が徒歩による生活の抵抗となっていることに着目した.特に身体能力の低下した高齢者にとっては,起伏による抵抗を受けやすい.新規の都市を計画する場合,または少子高齢化や生活スタイルの変化などにより現在の都市を再構築する場合,さらに公共施設配置や都市の諸機能配置を考える時,これらの抵抗を考慮することは,都市計画上非常に重要なことである.年齢階級ごとの身体能力を指標化すること,また上記の抵抗を指標化すること,さらにこれらの指標を用いて「便利な」都市空間モデルを提示することで,これからの都市計画に非常に有用な知見を得られると考えた. 本年度は,年齢階級ごとの身体能力の指標化,地形や階段による抵抗の指標化,それらの指標のアンケートによる実証を行い,理論モデルの構築を行った.本年度に実施した研究の概要は以下の通りである. 1.力学的換算距離による理論構築 地形による抵抗を力学的に解釈し,徒歩時における年齢階級ごとの身体能力と地形および階段等の抵抗を力学的換算距離として理論化した.これにより高齢者の徒歩圏域が,身体能力や抵抗を考慮しない場合の6割程度になることを示した. 2.代謝的換算距離による理論構築およびアンケートによる実証 力学的換算距離に加え,傾斜路や階段を上り下りする場合の消費カロリーから抵抗を代謝的換算距離として理論化した.またアンケート調査により高齢者の徒歩圏域を把握し,理論値と比較した.代謝的換算距離の理論値が優位であることを示した. ここまでの研究成果をまとめ,臨時学会や学会誌上での発表を行った.
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Research Products
(3 results)