1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06041125
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
白幡 洋三郎 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (10135543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
イクトット スラジャヤ インドネシア大学, 文学部, 教授
長田 俊樹 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (50260055)
井上 章一 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (40135603)
園田 英弘 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (50027562)
飯田 経夫 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (70022449)
山折 哲雄 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40102686)
村井 康彦 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (00077455)
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Keywords | 生活文化 / 教養 / 食文化 / 生活用品 / 娯楽 / 実用 / 工業製品 / 趣味 |
Research Abstract |
10月17日〜24日にベトナム共和国のハイオ、ダナン、フエ、ホ-チミン市、1月21日〜2月5日にインドのボンベイ、ゴア、及びシンガポール国、2月27日〜3月5日にオーストラリアのブリスベーン、シドニー市において調査を行った。 急速な近代化政策によってベトナムには海外の工業製品が多数入り込んでいる。家電製品に日本製はきわめて多かった。日本製のバス中古品がベトナム全土で公共交通機関の一端を担っている。「ホンダ」の看板を揚げる大小の修理工場 は、国道の50メートルおきに見られるほどで、自動二輪車の代名詞として日本製オートバイの名前が普及している。また娯楽に占める日本の漫画の役割は大きい。ドラえもんは、初等教育の中にも取り入れられているほどであり、貸本屋でも日本の漫画は常に人気がある。ベトナムでは日本の生活文化の諸分野が、抵抗なく受容され、庶民生活を形づくっていることが確認できた。 インドにおいては、日本の自動車・バイクそのものより技術援助の形で日本の技術が受容されており、日本製品のナマの進出ではない。家電製品も購買力が低いせいか、一般家庭に日本製が入り込んでいない。生活文化全般においてあまり日本のものが見られない。これは日本の側ではなく、インドの側に受け入れの障害があるといえる。一方、シンガポールでは、日本の生活文化のあらゆる分野が自由に取り入れられている。 オーストラリアは、地理的にもアジアとの距離が近く、また政策としても東アジアとの結びつきを重視している。とくに食の分野において、日本食品店・料理店が数多く、庶民生活の中にエキゾチシズムではなく、普通の食生活、アジアの食の一つとして日本食が自然に入り込んでいるのが見られた。アジアとの連帯をめざす国の政策は、庶民の生活レベルでの違和感のないアジアとのつきあいによって支えられていることが実感された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 白幡 洋三郎: "食の国籍" 脳内グルメ 現代風俗96. 158-160 (1995)
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[Publications] 飯田 経夫: "アメリカの言いなりはもうやめよ" 講談社, 220 (1995)
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[Publications] 長田 俊樹: "日文研叢書8 ムンダ人の農耕文化と食事文化民族学的考察 -インド文化・稲作文化・照葉樹林文化-" 国際日本文化研究センター, 186 (1995)
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[Publications] 白幡 洋三郎: "近代都市公園史の研究-欧化の系譜" 思文閣出版, 335 (1995)
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[Publications] 園田 英弘: "「みやこ」という宇宙-都会・郊外・田舎(NHKブックス)" 日本放送出版協会, 243 (1994)
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[Publications] 井上 章一: "狂気と王権" 紀伊国屋書店, 262 (1995)
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[Publications] 山折 哲雄: "巡礼の思想" 弘文堂, 269 (1995)