1994 Fiscal Year Annual Research Report
旧東ドイツにおける文化政策と、それに対する作家たちの対応の歴史
Project/Area Number |
06610463
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津村 正樹 九州大学, 言語文化部, 助教授 (40127105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 憲二 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (10036907)
杉浦 実 九州大学, 言語文化部, 教授 (50024435)
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Keywords | 政治と文学 / 東ドイツ / 文化政策 |
Research Abstract |
この研究の第一条件である資料の収集は、日本から現在入手可能と思われるものはおおむね入手が完了した。それは旧東ドイツの第一政党であったドイツ社会主義統一党の第1回から第19回までの膨大な党大会議事録20冊や作家会議議事録をはじめとする200点近くの、作品、論評、文学史や政治史記述等々の文献である。ドイツに直接注文していた文献も2月にはようやく絶版のもの以外はようやくすべて届いたので、図書館での受け入れ手続きの済んだものから順に手分けしてそれらの文献の区分け、要点や問題点の摘出等々の作業に当り、コンピュータを駆使した整理に当たり、現在もその作業中である。また早稲田大学図書館にも出張し、そこにある文献のコピーも済ませ、その資料も文献整理の対象になっている。 月に一回の会合を開いて、その間に自分が発見した事実や問題点を出し合い、その後の探索のヒントにしてきた。 時代状況や政治状況、あるいは外交関係の変化の中で、政府の文化政策が転換していき、それにつれて作家たちが自己のおかれた状況に対して各自各様の姿勢をとり、自己の表現を形作っていった様子が次第に明らかになってきていて興味深い。 1994年度はいわば、2年間にわたる研究の準備段階ともいえるもので、本格的な研究作業は1995年度のことになるが、おおむねその準備段階は首尾よく運んだと考えている。なお、1994年度の作業の成果は、この科学研究費補助金研究の研究代表者と研究分担者が中心となって1994年12月に発足した「イルム--東ドイツ文学会」が1995年3月に発刊する『東ドイツ文学』第1号に掲載されることになっている。
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