2007 Fiscal Year Annual Research Report
愛国主義教育と少数民族-中国の国家統合下に於ける少数民族社会-
Project/Area Number |
06F06009
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
並木 頼寿 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 志強 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 中国の国家統合 / 少数民族 / ミャオ族 |
Research Abstract |
本研究が巨的とするところは、第一に、近年来、中国南方で最も注目されているミャオ族社会の一連の動きを検討し、その延長線上にあるこれまで注目されてこなかった中国南方の諸少数民族社会が抱える諸問題を明らかにすることである。これは、中国社会の多層性を解明するいとぐちとなるであろう。それととともに、第二に、中国の民族問題を全体的に捉え直し、且つ理解する際に必要不可欠な材料を提供し、その方向性を探ることを目的としている。その切り口として中国国家によって推進される「愛国主義教育運動」が抱える複雑な歴史背景及び現状を、少数民族社会の観点から明らかにしたい。それによって、巨大国家にして「多民族国家」である中国において、「国民国家」としての統合を実現することが如何に困難な課題であるかということについて、本研究を通じて実態的な分析を伴いつつ紹介できるものと考えられる。本年度はその第二年度として、研究分担者楊志強が、中国・貴州省の調査対象地域に、期間は3週間ほどと短かったが現地調査を実施した。また、中国内外の民族問題に関する関連資料・図書を購入し、文献上・ネット上からの情報の収集に努めた。また、楊志強は、第一年度の引き続き、慶態義塾大学・神奈川大学などにおいて関連研究会に参加し、研究報告を行った。
|