2006 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンナシにおける大玉・高品質果実生産のための果実肥大機構解明とその制御
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06F06196
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田辺 賢二 鳥取大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG C. 鳥取大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 日本ナシ / 果実肥大 / ジベレリン |
Research Abstract |
1.果実の大きさと細胞分裂および肥大との関係を明らかにするため、3種のナシ属野生種と日本ナシ46品種の受粉前後の細胞数および収穫時の果実径と細胞径を調査した.さらに,日本ヤマナシと収穫期と果実の大きさが異なる日本ナシ8品種について細胞分裂期間を求め,細胞分裂期間と収穫期および果実の大きさの関係について考察を行った.収穫される果実の大きさは,受粉時の果肉の細胞数ではなく,受粉後,細胞分裂が終了した時点での果肉の細胞数により,決定されていることが明らかになった.一般的に晩生品種の果実が早生品種に比べ大型であるが,その主たる理由は,晩生品種の細胞分裂期間が長く,果実の細胞数が多いためであると考えられた.また,果実の大きさが野生種から栽培品種に至るまで著しく進化したのは,細胞分裂が活性化されたためであると考えられた。 2.日本ナシ果実の肥大とジベレリンとの関係を明らかにするために、同じ晩生品種であるが果実の大きさの異なる‘愛宕'と‘新興'を供試し、それぞれの果実の肥大に伴う活性型ジベレリンGA_1、GA_3およびGA_4含量の変化をGC-MSを用いて調査し、果実肥大との関連性について検討した。同じ晩生種でも‘愛宕'の果実肥大が優れ、大玉果実となるのは、細胞分裂が活発で短期間に細胞数を多くしていることに基いているとみなされた。GAについてみると、‘愛宕'は‘新興'にくらべて、GA_1、GA_3およびGA_4のいずれも細胞分裂期を通して含量が多い事が認められた。このことが受精後の‘愛宕'の細胞分裂が活発なことに関係しているものと考えられた。
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Research Products
(3 results)