2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析によるネオスポラ原虫の分泌タンパク質の網羅的同定とその応用
Project/Area Number |
06F06225
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
玄 学南 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE E.-G. 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | Neospora caninum / プロテオーム / 分泌タンパク質 / 抗原タンパク質 / 薬剤標的分子 / 組換えワクチン / 抗原虫薬 / MALDI-TOF-MS |
Research Abstract |
ネオスポラ原虫は、虫体先端部に先端複合体という特殊な構造物を持っているが、そのなかに含まれているミクロネーム、ロプトリー、デンスグラニューという小器官から数多くのタンパク質が分泌され、虫体の宿主細胞への吸着・侵入に深く関与しているとされている。しかしながら、その正体はいまだに不明である。もし、虫体の細胞吸着・侵入時に分泌されるタンパク質をプロテオーム解析により網羅的に同定できれば、虫体の細胞への吸着・侵入を阻止できるワクチン・薬剤標的候補分子の発掘につながると考えられる。そこで、本研究ではプロテオーム解析手段を用いた、ネオスポラ原虫の宿主細胞への吸着・侵入に関わる分泌タンパク質の網羅的同定と新規ワクチン・薬剤標的分子の発掘を目的として実施する。本年度に実施した研究内容と得られた研究成果は以下の通りである。 1.ネオスポラ原虫の分泌タンパク質を回収し、2次元電気泳動にて展開した後にタンパク質染色(クマシー染色)を行った。その後画像解析を行い、プロテオームマップを作成した。その結果、約100種類以上のタンパク質スポットが同定された。 2.2次元電気泳動にて展開したタンパク質を膜に転写した後にネオスポラ感染血清を用いたイムノブロットを行い、抗原タンパク質の同定を行った。その結果、約10種類以上の抗原タンパク質スポットが同定できた。 3.上記で同定できた抗原タンパク質についてMALDI-TOF-MS解析を行ったところ、虫体のマイクロネーム、ロプトリー、デンスグラニューといった分泌小器官由来のタンパク質が同定できた。 4.上記で同定した一部の抗原タンパク質をコードする遺伝子のクローニングと解析を行った。
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Research Products
(3 results)