2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06803
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
垣内 隆 Kyoto University, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUILLAUME Revillod 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ハイパーレイリー散乱 / HRS / イオン液体 / 常温溶融塩 / AOT / BEHSS / DOSS / 配向相関 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に確立したハイパーレイリー散乱(HRS)光測定法を用いて、イオン液体バルクにおけるアニオン間の配向相関を、アニオン構造、カチオン構造を変化させて調べた。 前年度は、アニオンにbis[2-ethylhexyl]sulfosuccinate(BEHSS)、カチオンにtetraalkylammoniumの鎖長が4から8のものを選び、それらのイオン液体のHRS測定をし、アニオン間の配向相関にカチオンアルキル鎖長依存性があることを確認した。しかし、蛍光による大きなバックグラウンドにより、詳細な解析は困難であった。本年度は、まず、活性炭・シリカゲルに通すカラム処理により、イオン液体を精製し、その結果、飛躍的に実験データ精度を向上させることに成功した。次に、より小さなサイズのアニオン、Di(isobutyl)sulfosuccinate(DIBSS)や、より広範なカチオンアルキル鎖長(4から12)について、イオン液体のHRS光測定を行い、より系統的に構成イオン種による違いを調べた。その結果、イオン液体バルクにおけるアニオン間の配向相関は、両アニオン種について、カチオンのアルキル鎖長に依存し、アルキル鎖長を長くしていくと、鎖長4から8までは配向相関が減少し、8から12までは再度増加することがわかった。配向相関には正(双極子が同じ向き)と負(逆向き)があるが、入射光とHRS光の電場偏光面を規制した実験とその解析により、このカチオンのアルキル鎖長範囲で、アニオン間の配向相関は正であることが分かった。
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Research Products
(5 results)