2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病原因因子APPと代謝制御因子XIILの結合・解離制御機構の解析
Project/Area Number |
06J04450
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐久間 めぐみ Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DCI)
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Keywords | アルツハイマー病 / APP / X11L / ストレス / リン酸化 |
Research Abstract |
アルツハイマー病患者脳に特徴的な老人斑は、APPが2段階の切断をうけ産生されるAβが主成分である。X11LはAPPに結合し、その代謝を安定化することでAβ産生を抑制すると考えられており、APP代謝を制御するタンパク質として重要である。これまでの研究により、高浸透圧ストレスによりAPPに結合するX11L量が劇的に増加すること、X11LのN末部位のセリンを多く含む領域を欠失、変異させることでストレスによる結合の変化が見られなくなることを示している。また、特に重要と考えられるSer 236およびSer 238の抗リン酸化抗体により、この部位のリン酸化が直接APPとの結合変化を引き起こしている可能性は低いことが示唆されている。ストレスに応答したX11Lが定常状態とは異なるタンパク質と相互作用する可能性を考え、共役免疫沈降、質量分析によりストレス依存的な結合タンパク質を同定した結果、その中にX11L自身が含まれていることを見出した。そこで、ストレス依存的なX11L同士の結合を検証した結果、X11L N末同士によるストレス依存的な結合が確認され、APPとの結合量変化に重要な部位を欠失、変異させたN末ではX11L同士の結合増大がほぼ消失することが明らかとなった。また、定常状態においてはX11LはC末同士により結合しうることを新たに見出した。これらのことから、X11Lは通常状態とストレス状態で異なる会合様式をとりうることが考えられた。また、APPとのストレス依存的な結合量の変化はX11L同士の会合による見かけの結合量変化と結合親和性の変化の総和を検出している可能性が高いことが示唆された。
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Research Products
(4 results)