2007 Fiscal Year Annual Research Report
アシル-ロジウム錯体の反応挙動の解明及びそれを鍵中間体とする新規触媒反応の開拓
Project/Area Number |
06J05770
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柏原 泰吾 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ロジウム / アシル錯体 / 付加反応 / 1,2-ジケトン |
Research Abstract |
昨年度、α-ケトアシル錯体のアルキンへの付加反応は脱カルボニル化が優先的に進行すると報告したが、継続して反応条件の検討を行った結果、α-ケトアシル基の構造を保持した付加反応生成物を満足できる収率で得る事に成功した。また用いるα-ケト酸塩化物の電子的性質がアシルロジウム錯体からの脱カルボニル化に直接関係することを錯体化学的にも確認することができた。加えて、ロジウム錯体触媒を用い、ベンゾイルクロリドと末端アルキンとをCO加圧条件下で反応させると、低収率ながらもCOを取り込みつつ付加反応が進行し、4-クロロ-3-ブテン-1-フェニル-1,2-ジオン骨格を有する化合物が生成する事も見出した。 一方、α-ケト酸塩化物を用いたクロスカップリング反応を検討中、無触媒条件でスズ試薬との有機基交換反応が進行し、非対称1,2-ジケトンがほぼ定量的に得られる事を見出した。通常酸塩化物を用いたクロスカップリング反応はPd触媒やルイス酸などの添加を必要とするが、本研究の手法はこれらを必要とせず、簡便で合成化学的価値の高い手法であると考える。 またクロロアセチルクロリドの各種末端アルキンへの付加反応について検討した事を前回報告したが、今年度は生成物である1,4-ジクロロ-3-ブテン-2-オンの各種官能基変換反応について探索し、合成中間体としての有用性を示すことができた。さらに、クロロアセチルクロリドのみならず、α-位に様々な官能基を有する酢酸塩化物が末端アルキンにカルボニル保持で付加することも見出しており、現在研究を継続中である。
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Research Products
(5 results)