2007 Fiscal Year Annual Research Report
E.フッサールを中心とした初期現象学における言語論・事態論の再検討
Project/Area Number |
06J06045
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
植村 玄輝 Keio University, 文学研究科, 特別研究員(DCI)
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Keywords | フッサール / 現象学 / 言語哲学 / 事態 / ライナッハ / インガルデン / 志向性 / 意味 |
Research Abstract |
本年度の研究は、ライナッハとインガルデンの実在論的現象学を、フッサールの超越論的現象学との関係に着目しつつ明らかにすることを中心に進められた。より具体的には、(1)中期フッサールにおけるライナッハからの影響関係とその哲学的意義、(2)フッサールのインガルデン批判の主要論点の整理の二点が、主たる研究課題である。(1)の研究成果は「内世界的な出来事としての作用:ブレンターノ、フッサール、ライナッハ」として『現象学年報』に掲載された。また、この研究の続編として、ライナッハらの影響によるフッサール現象学の行為論化についての研究論文を目下準備中である。(2)の研究成果は、フッサール研究会のシンポジウムにおいて「志向性理論から世界の存在をめぐる論争へ」という表題で発表された。同発表は、インガルデンのフッサール批判の中核を、歴史的・体系的両観点から再構成するものであり、現在準備中の博士論文の中心的な問題を素描している。また、この発表をもとにして、二本から三本の論文が作成される予定である。 また、フッサールの言語哲学についての研究成果として、「Husserl on Reference and Intentnionality: From Another Perspective」と題した発表を行った。また、フッサールの表現論についての英語論文を、2008年夏に開催される世界哲学会(WCP2008)に投稿した。さらに、来年度投稿される予定のフッサールの言語哲学についての論文を二本準備中である。
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Research Products
(4 results)