2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属クラスターを機能単位としたボトムアップ的手法によるナノ光機能材料の創製
Project/Area Number |
06J06049
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長岡 修平 慶應義塾大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | クラスター / 自己組織化単分子膜 / ソフトランディング / 赤外反射吸収分光法 / 昇温脱離法 / 有機金属錯体 / マトリクス単離 |
Research Abstract |
金属原子と有機分子が複合した有機金属サンドイッチクラスターは、その一次元多層構造に由来した光応答性・磁気特性を示すことから、次世代の光応答磁気材料への応用が期待されており、本研究では、それら有機金属クラスターをナノ光機能材料へと展開する方法論の確立を目指している。その一環として、今年度は気相中で合成した有機金属クラスターを種々の有機分子からなる自己組織化単分子膜(SAM)を利用して基板上にマトリクス単離する方法論の確立した。 1.アルカンチオールSAMへのマトリクス単離 化学的に不活性なアルキル基を有するアルカンチオールSAM(C-SAM)をマトリクス基板として利用し、気相合成した有機金属クラスター:M(benzene)_2(M=Cr, V, Ti)を蒸着(ソフトランディング)させたところ、気相クラスターはC-SAMの膜内に侵入し、その内部でマトリクス単離されることがわかった。SAM基板にマトリクス単離されたクラスターはアルキル鎖との化学的な相互作用により基板上で配向し、さらにその熱脱離が室温に至るまで抑制されることも同時に明らかにした。また、気相中にて磁気特性を有する機能性・多層有機金属クラスター:V_2(benzene)_3のソフトランディングも試み、室温においてC-SAM基板ヘマトリクス単離させることにも成功した。 2.フルオロアルカンチオールSAMへのマトリクス単離 マトリクス単離されたクラスターの吸着形態(配向性)の多様化、ならびに熱的安定性のさらなる向上をはかるため、分極性の高いフルオロアルカンチオールSAM(F-SAM)をマトリクス基板として利用した。その結果、ソフトランディング単離されたM(benzene)_2クラスターはC-SAMのときとは異なった配向性を示し、さらに分極相互作用により単離クラスターの熱的安定性がさらに向上する結果が得られた。
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Research Products
(1 results)