2006 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン基板上への窒化物半導体選択MOVPE成長と物性制御に関する研究
Project/Area Number |
06J06539
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
彦坂 年輝 名古屋大学, 大学院工学研究科, 特別研究員-DC2
|
Keywords | 選択成長 / MOVPE / GaN / シリコン基板 |
Research Abstract |
加工シリコン基板上へ選択成長を行うことで、半極性面である(1-101)面のGaN結晶の作製が可能である。GaN(1-101)面は最表面が窒素原子となり、従来用いられている(0001)面がガリウム原子に覆われている事とは対照的である。この最表面原子の違いは、不純物の取り込み効率や活性化率の違いに影響を与えると予想される。 実際、炭素を添加した場合、(0001)面とは異なり、p型不純物として働くことが明らかとなった。この不純物特性の違いを詳細に検討するため、従来p型不純物として用いられるマグネシウムの(1-101)窒素面における不純物特性の詳細な検討を行った。 質量分析の結果、(1-101)面では(0001)面に比べ、マグネシウムの取り込み効率が高いことが明らかとなった。また、電気的特性の評価を行ったところ、(0001)面に比べ高い正孔濃度を示し、高濃度に添加した際のキャリアの自己補償による正孔濃度の減少は見られなかった。光学的特性の評価では、マグネシウムによって発生する欠陥に起因する発光が(0001)面に比べて弱く、欠陥の形成が小さいことが明らかとなった。この結果は電気的特性の結果とよく一致し、(1-101)窒素面では結晶品質に優れたp型の結晶の作製が可能であることを明らかにした。 実際のデバイス作製において、結晶の高品質化は必要不可欠である。結晶の高品質化の新しい手法として同属不純物添加に着目し、アルミニウムのドーピング特性の検討を行った。アルミニウムを少量(1%未満)添加することで結晶性の向上が確認され、発光効率の向上が確認された。これは、少量添加したアルミニウムが欠陥の形成を抑制するためであると考えられる。(0001)面でも同様の傾向が見られ、アルミニウムの添加は窒化物半導体の高品質化に有効な手法である事を明らかにした。
|
Research Products
(1 results)