2006 Fiscal Year Annual Research Report
C-H結合活性化によるポリマーの機能化とマイクロリアクター合成技術への応用
Project/Area Number |
06J06953
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
小山田 重蔵 佐賀大学, 工学系研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | ポリスチレン / 白金 / ヒドロアリール化 / プロピオル酸 / C-H結合 / クマリン / フェノール / ジヒドロクマリン |
Research Abstract |
白金触媒によるプロピオル酸のヒドロアリール化を応用し、ポリスチレンのベンゼン環へのプロピオル酸の直接導入を検討した。K_2PtCl_4などの白金塩とAgOTfより調製した白金触媒のトリフルオロ酢酸溶液に、ポリスチレン、クロロホルム、プロピオル酸を加え、60℃で24時間攪拌した。反応後、反応溶液をシリカゲルに通し、触媒を除去した後、この溶液をメタノールに滴下することによりポリスチレンを析出させ、ろ過によりこれを回収した。ポリスチレンに導入されたプロピオル酸を定量するために、取得したポリスチレンをさらにメタノール中で処理しカルボン酸をメチルエステルとし、^1H NMRで分析した。導入率はポリスチレン中のフェニル基に対して10等量のプロピオル酸を用い、反応温度60℃で24時間反応を行ったとき最も高く、5%であった。また、IR分析により反応後のポリスチレンにカルボニル基が存在することも確認した。 また、ヒドロアリール化反応を応用しクマリンの合成を検討した。K_2PtCl_4やPtCl_2などの白金塩とAgOTfより調製した白金触媒のトリフルオロ酢酸溶液に、フェノール誘導体及びプロピオル酸誘導体を加え30〜40℃で攪拌すると、ヒドロアリール化及び分子内エステル交換によりクマリン誘導体が得られた。無置換のプロピオル酸を用いた場合、クレゾールやp-プロモフェノールなどの反応性の低いフェノールとの反応が起こったが、クマリンの選択性は低かった。この場合には、ジヒドロクマリンの生成も見られた。一方、フェニルプロピオル酸や2-オクチン酸のような置換プロピオル酸は反応性が低く、3-メトキシフェノールや2-ナフトールなどの反応性の高いフェノールのみに適用できたが、反応は選択的であり、クマリン誘導体を良好な収率で与えた。
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Research Products
(1 results)