2007 Fiscal Year Annual Research Report
GABA合成酵素欠損マウスを用いた全身麻酔薬作用の電気生理学的・行動学的解析
Project/Area Number |
06J07866
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
久保 和宏 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 和宏 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | GAD65 / 麻酔薬 / プロポフォール |
Research Abstract |
いままでの抑制性ニューロンに対する麻酔薬の作用機序の研究の多くはポストシナプスに存在するGABAレセプターに関するものが多く、当研究室からも報告例が多くあるが、プレシナプスからのGABA放出に注目した研究は多くありません。このマウスではいままでの解析によりGABAレセプターの密度にワイルドタイプとの差はなく、また、カリウム刺激に対するGABA放出の抑制も報告されている。よってこのマウスに対する麻酔薬の反応を解析することにより麻酔薬の中枢神経作用発現機序のなかで神経終末からのGABA放出の関与と役割が解明することが実験の目的であった。 GABA合成能を低下させたマウス(GAD65ノックアウトマウス)に対し、麻酔薬を作用させた行動実験、電気生理学的解析を行い、その両面から麻酔薬の個体レベルの作用におけるGABAの放出の関与を明らかにする。麻酔薬の作用発現に大きなかかわりがあると考えられているGABAの合成能を低下させたノックアウトマウスを用いて実験した。GADには別の遺伝子にコードされた分子量の異なる二つのアイソフォーム、つまり、65KDのGAD65と67kdのGAD67が存在し、それぞれ分布や性質が異なる。GAD65ノックアウトマウスでは解剖学的な異常は報告されておらず脳内GABA含量は生後4週より減少が見られ、それと同様にけいれん発作のため死亡率が増加していくことが報告されている。また、不安行動の増加、抗不安薬に対する抵抗性などが行動実験により報告されている。以上をまとめるとGAD65ノックアウトマウスにおいては神経終末からのGABA放出の抑制、GABAの神経内含有量の低下が考えられ、麻酔薬の作用発現に影響を与えることが予想され、麻酔薬のプレシナプスに対する作用のモデルになることが分かった。
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Research Products
(2 results)