2007 Fiscal Year Annual Research Report
TetシステムによるES細胞由来心筋細胞の作成と心筋梗塞巣への応用に関する研究
Project/Area Number |
06J08454
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
武居 俊輔 Shinshu University, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ES細胞 / 心筋細胞 / 分化誘導 |
Research Abstract |
ES細胞由来の心筋細胞をTet-systemを用いることによって選択的に誘導を行い、機能的な心筋細胞を多量に得ること可能であるということを証明することは有意義であると考え研究を進めた。 Tet-on vectorをE14.1ES細胞株にエレクトロポレーションによりトランスフェクションをし、スクリーニングをジェネテシンによって薬剤耐性クローンを選択した後、ルシフェラーゼアッセイによって検証した。通常ES細胞には遺伝子導入効率が悪いとされており、本研究においても遺伝子発現効率が悪く、またおそらく細胞のサイレンシングが起こり、導入遺伝子の不活性化が起こっていると考えられる。そのため現在、より多くのコロニーをピックアップしスクリーニングを行っている。そして心筋細胞の評価法として新たにreal-time RT PCRを導入し、そのprimerを設計し、コントロールによって評価を行った。心筋細胞分化誘導の目安とするためにマウス胎仔を用いて一番発現量が高い段階とその発現期間の検討をreal-time RT PCRを用いて行っている。 また遺伝子を導入した後の分化誘導する際、より多くの心筋細胞を得るために発現させる遺伝子の他に補助的な役割を果たすための因子の同定、最適濃度の検討を行った。今回注目したのはTGFスーパーファミリーに属するBMP-4である。BMP-4は中胚葉への分化誘導を促進することが知られているが、その最適な添加時期や濃度は現在までにはっきりとしてはいない。そこで今回はその点を明らかにしてより多くの心筋細胞を得られるように実験を進めた。その結果、心筋分化誘導効率をかなり上昇させることに成功している。
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