2006 Fiscal Year Annual Research Report
微生物の物質生産機能を制御したボトムアップ型ハニカム3次元構造体の構築と機能化
Project/Area Number |
06J09308
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笠井 稚子 九州大学, バイオアーキテクチャーセンター, 特別研究員(PD)
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Keywords | セルロース / マイクロバイアルセルロース / 人工細胞壁 / 酢酸菌 / ハニカム / 自己組織化 / ナノ繊維 |
Research Abstract |
18年度は、微生物や植物細胞の持つ繊維生産能を理容師、ハニカム型セルロース薄膜をボトムアップ的に3次元化することで、人工細胞壁の創製を試みた。 1.微生物を用いた人工細胞壁の創製 ハニカム型セルロース薄膜上で酢酸菌を培養すると、ハニカム骨格の上のみを走行してセルロースナノ繊維が分泌、堆積されて3次元化される現象が見出されたことから、人工細胞壁とみなせる3次元ハニカム構造体の構築が可能であると考えられた。 そのため、ハニカム型セルロース薄膜の3次元化に関して、培養条件を変えることで、3次元化がどのように進行するか検討した。薄膜上で24時間、酢酸菌の培養を行い、薄膜の中央と端でのハニカム骨格の高さ変化を調べたところ、中央ではおよそ1.2μm、端ではおよそ100nmと大きく異なっていた。これは、酢酸菌が培養液中で動いているため、薄膜に定着する菌体数が膜の位置によって異なると考えられた。現在、一様に骨格を高くするための培養条件について検討中である。 2.タバコ培養細胞BY-2プロトプラストを用いた人工細胞壁の創製 植物細胞から調製したプロトプラストをハニカム孔中で培養して細胞分裂させ、さらにハニカム骨格上に細胞壁を形成させることができれば、植物細胞壁のモデルと考えられた。 タバコ培養細胞BY-2は、増殖速度は速いが酸素を多く必要とするので通常振とう培養されているが、ハニカム孔中でタバコBY-2のプロトプラストを培養するために静置培養を試みた。この場合、酸素不足により、プロトプラストは数時間後には死滅した。しかし、静置培養のための培養法を検討した結果、酸素気流下で培養すると、プロトプラストは生存し、さらに2日間、酸素気流下で培養した後は、酸素を流さずとも1週間以上静置で生存させることが可能となった。今後、ハニカム孔中でのプロトプラストの培養を行っていく。
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