2006 Fiscal Year Annual Research Report
メダカ属をモデルとした魚類視物質遺伝子多様化メカニズムの解明
Project/Area Number |
06J11170
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 圭史 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 視物質 / オプシン / メダカ / 分子進化 / 色覚 / 重複遺伝子 |
Research Abstract |
(研究の目的) 色覚は動物の生息環境により非常に多様である。特に、濁度や反射等により透過する波長成分が深さや場所により様々な様相を呈する水中に生息する魚類は、陸生生物より非常に多様な光環境に生息していると考えられる。事実、これまでの研究により魚類の色覚は陸生生物より高度であり、我々ヒトが3種類の視物質を持つ3色型色覚であるのに対して、5色型、それ以上の色覚を有していると考えられている。本研究では、アジア全域の広い地域に生息し多様な光環境の下、様々な種が分化してきたと考えられるメダカ属(約20種が属する)を研究対象に、それら属内種の視物質レパートリーを単離し、それらレパートリーがどのような波長感受性を示すかを実際に培養細胞系を用いた視物質再構成実験により明らかにし、さらにそれらレパートリーの相対的発現量や発現部位をreal-time RT-PCRやIn situ hybridization法を用いて明らかにしつつある。 本研究を通じ、光環境の異なるメダカ種間と色覚とがどのような関係を示すのか、さらには色覚の環境への適応進化を分子レベルで明らかにすることを目的としている。 (本年度の研究実施計画) (1)これまで明らかにしたメダカ属内種間の、緑型サブタイプの1つであるRH2-Aの波長分化に関して、培養細胞系を用いた視物質再構成実験により、どのアミノ酸座位によりそれら分化が起こるのかということをpoint mutationを導入することにより同定する。 さらに、メダカ属内種間での重複視物質遺伝子の波長分化が自然選択により生じたものであるのか、中立進化によるものであるのかを解析する。 (2)メダカ各種から得られた各視物質遺伝子の網膜上での発現部位や、それらの相対的発現量をIn situ hybridization法やreal time PCR法を用いて明らかにする。
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Research Products
(1 results)