2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J11214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 由梨佳 東京大学, 大学院法学政治学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 国際刑事法 / 国際人権法 / 普遍主義 |
Research Abstract |
第一に,ベルギー人道法にとスペイン司法権組織法に関連する国家実行について,普遍的管轄権の意義について考察を展開した論文の執筆が,昨年度の主たる課題となった. 第二に,専攻テーマである国際人権法と国際刑事法における普遍主義を取り巻く,国際法の隣接分野(国際政治,国際関係論,法哲学等)の学習に努めた.その一環で,東京大学民法判例研究会において最高裁判決平成18年3月17日判決について,評釈報告を行った.この判決は,入会団体の資格要件の公序良俗性が争われた事件であるが,団体理論,慣習と国家法などの基礎法学的見地から考察することの意義が大きい事案であり,この評釈報告は国際法の研究を進める上でも有用であった.なお,本評釈は法学協会雑誌に掲載される予定である. また,若手研究者の間で行われる東京大学判例事例研究会においては,米国最高裁のHamdanv.Rumsfeld事件(2005年)について,評釈報告を行った.この事件は,米国における国際人道法の適用のあり方や,平時と戦時の区別が相対化しつつある現代型紛争における国際法のあり方を考察する上で非常に重要な判例であり,報告は研究を進める上でも有用であった. これらの主たる研究を進める傍らで,国家学会雑誌の「学界展望」をも執筆した.そこでは,Robert Cryer, "Prosecuting International Crimes"についてのコメントを主軸としながら,変動する国際刑事法についての学界のあり方を展望した.
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Research Products
(1 results)