1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610087
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
亀谷 秀樹 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (20167349)
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Keywords | ラット / 一酸化窒素(NO) / NMDA / PBN / 老化 |
Research Abstract |
最終度においては、興奮性アミノ酸であるグルタミン酸遊離に伴う一酸化窒素(NO)遊離量の加齢に伴う変動を老化ラットの線条体において検討した。さらに、スピントラップ剤で抗酸化作用を有するとともに、NOドナーとしても作用することが知られているPBN(N-tert-a-phenylnitrone)がNO遊離に及ぼす効果についても検討を加えた。 マイクロダイアリシス・プローブを通じて若齢ラット(4-6カ月令)及び老化ラット線条体におけるNO2・NO3を明期において定量したところ、老化ラットのベースラインのNO遊離量は若齢ラットと比較して高いレベルにあることが明らかになった。さらに、NMDA(1mM)を20分間線条体に灌流すると、NO2,NO3いづれのレベルも増大することが認められたが、老化ラットでは、反応潜時が延長し、さらに、反応強度も減弱していることが見い出された。こうしたNO遊離の年齢差は、線条体におけるNMDAリセプターやNO合成酵素(NOS)の加齢変化に起因する可能性が示唆された。 次いで、寿命延長効果や老化ラットの学習成績の改善効果の認められているPBNを若齢ラット線条体に灌流し、そのNOx量に及ぼす効果について検討した。30分間PBN(10mM)を灌流したところ、NO2,NO3いずれも統計的に有意に遊離量が増大した。さらにL-NAMEでNOSの活性を抑制した条件下でPBNを灌流したが、PBNによるNOxの増加反応は抑えられなかった。以上の結果から、PBNが線条体のNO遊離を増強する働きのあることが確認された。
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