1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07805035
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University Junior College |
Principal Investigator |
佐藤 洋一 東海大学短期大学部, 教授 (20215867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 一よん 東海大学短期大学部, 助教授 (20171928)
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Keywords | アルミニウム / アルミナ / 陽極酸化 / 多孔質 / 片持ち梁 |
Research Abstract |
全く新しい方法として、アルミニウムの陽極酸化膜を構造材料に利用した微小機械装置の研究に着手した。比較的簡単な構造を持つ片持ち梁の形成を通じて、プロセス条件の設定、アルミナ膜の構造、片持ち梁としての振動特性などについて多くの知見を得ることができた。 1.陽極酸化の条件 10%硫酸、温度25〜30℃、印加電圧10Vでの処理条件が適していることが分かった。また、しゅう酸でも良好な膜を得ることが出来た。アルミニウムは、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法共に同一条件で良い。 2.スパッタの条件設定 スパッタの条件は、アルゴンガス圧力0.8mmtoor、流量10ssccm、真空度5×10^<-8>toor、供給電力は、コイル側100W、ターゲット側180Wの条件でスパッタレート約10Åである。 3.電子顕微鏡による表面観察 走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡観察により、抵抗加熱蒸着によるアルミニウムの陽極酸化膜の構造とスパッタアルミニウム膜の陽極酸化膜の構造とは大きく異なっていることが明らかとなった。また、アルミニウム膜の構造そのものは陽極酸化によっても変化せず、ほぼそのままで陽極酸化がすすむ。 3-1.抵抗加熱蒸着 蒸着されたアルミ膜が熱により成長しており、結晶粒界が大きくなっている。その一つの粒界のなかに、多孔質の特徴である微小孔が数個発生していることが観察された。 3-2.スパッタ膜 スパッタ膜では、粒界は成長しておらず、微小孔が一つの粒界に一つ存在していることが観察されている。 4.アルミナ膜の特性 抵抗加熱蒸着で製作したアルミナ膜を用いて片持ち梁を製作し、その振動特性を測定し、膜のヤング率を求めた結果、327GPaが得られた。アルミニウムが60Gpa,焼結タイプのアルミナが約400Gpaであることから妥当な値であると考えられる。この結果は関連学会に投稿中である。
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